5月24日(水)、新宿プリンスホテルにて歌舞伎町商店街振興組合の令和5年度第62回通常総会が開催されました。
組合員数209名に対し、本総会出席者数は45名、委任状数71名、合計116名。(よって、本総会は過半数を越え、議決の決定数を満たした)
歌舞伎町商店街振興組合は、その名の通り商店街振興組合法によって定められた商店街が形成されている地域、当該組織の場合は歌舞伎町一丁目地域を所管します。歌舞伎町に戦後間もなく設立された復興協力会からの流れが前身母体となって、振興組合法の施行年、昭和37年(1962年)に合わせて日本で最初に設立された商店街振興組合で、今年が62年目ということになります。
現在は歌舞伎町一丁目地域内の地権者を中心に組織が形成されており、各テナント事業者は組合員としてではなく、町内各通り別の町会に所属することが前提となってきました。また歌舞伎町にはその他各同業組合等もありますが、町会やそれら同業組合などの横断組織としての意味合いもあります。歌舞伎町商店街振興組合は二棟の建物・土地(歌舞伎町商店街振興組合ビル、弁天堂ビル)を持つ地権者でもあります。歌舞伎町商店街振興組合設立当初に組合員からの出資によってこれら資産を形成、現在に至り、賃料等事業収益が組合活動の予算の大半を賄っています。
[令和4年度事業報告より]
(自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日)
国内に於いてはコロナ禍による景気の停滞、外国人観光客の減少、国外に目を向けてもウクライナ問題、中国と台湾の問題など、世の中が混沌とするなか歌舞伎町もその影響が色濃く出てきておりました。下期以降はコロナの影響も一段落したのか、まちの中の人出も外国人観光客を中心に徐々に回復してきたと実感できるようになってきました。更に令和5年4月には東急歌舞伎町タワーもオープン予定であり、来年度は明るいニュースに溢れるものと期待されます。
一方、治安面では反社会勢力の動きに注視する必要があります。彼らの動きが表に出て来る事は稀になってきており、体感的には治安は回復したと思われがちですが、特に暴力団は「脅し」から「騙し」に変わってきただけで実態は何ら変わっておりません。まと「トー横キッズ」と呼ばれる若年層の問題は社会問題としてクローズアップされてしまいました。本質的なまちの実態は変わっていないのでしょうか。
これらを踏まえ、組合では活性化した各部会の活動でイベントの開催などの活性化事業、行政各機関との緻密な連携など多方面にわたる主体的な行動を起こしてまいりました。まだまだ不充分ではありますが、今後もまちの未来を見つめ、諸問題に取り組んでまいりますので、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
[令和5年度事業計画]※本総会にて承認
(自 令和5年4月1日 至 令和6年3月31日)
杉山理事長体制になって2年目、その方針、方向性については組合内部でも共有できるようになりました。今年度もいかなる変化にも柔軟に対応することを心掛け、目の前の出来事に一喜一憂するのではなく、広く世の中を見つめ、大局観を持った活動を心掛けまちづくりに取り組んでまいります。特に今年度は東急歌舞伎町タワーも完成し、人に流れも大きく変わることが予想されます。これを期に更なる活性化を目指します。他方、治安対策としては、情報の収集と関係機関への情報提供を推し進めてまいります。詳細については以下のとおり計画いたします。
事業計画(167,668,000) ※括弧内は項目ごとの予算額
(1)共同宣伝事業(30,220,000)
?地域活性化に関する事業
・来街者及び外国人観光客に対するコンシェルジュ事業
・シネシティ広場の新たな活用
・TMO主催イベントの後援・協力
?ホームページ(ポータルサイト)の更新管理
?老巧化した街路灯の建替・更新
?西町会・西武駅前会エリアの道路補修整備
(2)環境浄化・美化事業(28,480,000)
?地域安全・安心に関する事業
・地域安全安心ステーションの維持・管理
・防犯パトロールの継続的実施(悪質客引きの撲滅)
・違法看板の是正指導(合同監察への参加)
・消防地域協定に基づく防火防災意識の向上を求める活動
(合同防火訓練、地域防災活動)
・美化推進活動(定期的な清掃活動及び各種清掃団体への支援)
・その他参画各種協議会への協力活動
?食品衛生管理活動
(3)振興事業(2,000,000)
?各町会活動促進に対する支援協力活動
?部会並びに委員会活動の促進
?関係各団体への支援協力活動
(4)弁天堂維持費(2,030,000)
・弁天堂ならびに弁財天ビルの維持管理
(5)福利厚生事業(1,250,000)
・勉強会、親睦会などの実施
その他、一般管理費(人件費、業務費等 15,270,000)、街路灯整備事業(平和会・西町会 圧縮損19,268,000)予備費(23,560,000)
なお、本総会にて、理事改選、ならびに理事による代表理事(理事長)選挙が行われ、前期に引き続き杉山元茂氏(株式会社すずや代表取締役)が理事長職を続投となりました。
2期目を迎える杉山理事長は、「2年前、片桐(基次氏)さんから理事長を引き継ぎまして、自分なんかにできないなあと思いながら、さらにコロナ禍に見舞われまして、取り巻く環境は非常に厳しいものになりました。そういう中ではありましたけれど、皆様方のありがたいご協力、ご活動によりまして、当振興組合も、事業・活動を継続してこれました。皆様のご支援・ご協力に厚く感謝申し上げたいと思います。ここから、2年という任期で務めさせていただきますけれど、去年の7月ごろには都内ではまだ4万人近い感染者数が報告されていたのを思い出しますけれど、年末になりましてからは、インバウンド需要が戻り、年が明けて、いよいよ東急歌舞伎町タワーの開業となりまして、組合としても、開業をともに祝すことができました。連休明けには、コロナも2類から5類へと分類も変わり、本当に忘れ去ったかのような人流がこの街にも戻っております。
恵まれたタイミングではありますけど、人流が増す、人が訪れるということは、その分、いろいろな問題、リスクも同時に比例して増えてまいります。昨日も、新宿警察署のほうで、警察の方、ならびに区、都の方も参加して、歌舞伎町浄化対策推進協議会というような会議体が開催されました。現実としては、未だにそのような"浄化対策"という、ほかの繁華街では問題にならないようなテーマの会議が行われるというのが、この街の現状でございます。この新体制のもと、なんとか、皆さんのご協力を得まして、歌舞伎町もさらに人の集まりがそのまま、皆様のご商売に直接反映するような、そいういう体制を盤石に整えていきたいと思うのですけれど、例えば路線価一つとっても、新宿3丁目は路線価何千万、200mはなれ通りを渡った歌舞伎町はその1/4、1/5という現状でございまして、ここにお集まりの皆様は、なぜこれだけ賑わいに恵まれているのに、やはり歌舞伎町はまだまだそういう、同じ新宿の中でも、路線価に反映されていないのかということを十分認識なさっていると思います。地道なパトロール活動とか、あるいは、原点に返りまして、街をきれいにするとか、それこそ昔言われたニューヨークの割れ窓理論ではないですけれど、ここにお集まりの皆様方が一人一人、街の小さな出来事を見逃さないで、対処する、行動する、そういうことにこの街の将来の繁栄がかかってると思います。私も頑張りますので、是非、皆様がたもともに手を携えて、歌舞伎町のブランド価値を少しでも上がりますよう活動を続けてまいりたいと思いますので、引き続き皆様のご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。」と挨拶されました。